2008年度 東京定期演奏会
第一集 「J.S.バッハのチェンバロ協奏曲」  4月11日(金)
 チェンバロ協奏曲の第一号といえば「ブランデンブルク協奏曲 第5番」。その後晩年にライプツィヒでJ.S.バッハが量産した「チェンバロ協奏曲」を中心に、オール・バッハプログラムで構成。またJ.S.バッハが終生一つのテーマとしてあたため続けたチェンバロ独奏によるチェンバロ協奏曲も演奏。

第二集 「J.S.バッハ以後のチェンバロ協奏曲」 7月11日(金)
 J.S.バッハ以降のチェンバロ協奏曲の発展を、彼の息子である“ハレのバッハ”W.F.バッハ・“ロンドン”のバッハJ.Ch.バッハなどのほかF.J.ハイドンの作品も紹介。また昨年東京でも演奏され、大変好評を博した中野振一郎作曲の作品も登場。

第三集 「二台の鍵盤楽器によるチェンバロ協奏曲」 11月23日(日)
 最近注目されているのが中野振一郎と高田泰治によるチェンバロとフォルテピアノのデュオ。ここでは二台のチェンバロのための協奏曲をチェンバロとフォルテピアノという組み合わせで演奏。フォルテピアノとチェンバロが共存した時代は現代を除けば18世紀のみ。J.S.バッハもフォルテピアノを販売した形跡がある…という発想から中野が実験的に「企画」した演奏形態。21世紀ならではのサウンドだといえる。指揮は延原武春。

第四集 「チェンバロ協奏曲でめぐる18世紀ヨーロッパ」 1月12日(月・祝)
 18世紀になりチェンバロ協奏曲がどのようにヨーロッパで広まっていったか、ここではドイツを基点とし、ヨーロッパ各国をめぐる形でチェンバロ協奏曲を紹介する。A.ソレルやM.コレットの作品をはじめ、J.S.バッハの有名な“ブランデンブルク協奏曲まで幅広い音楽が楽しめる。

 昨年よりコレギウム・ムジクム・テレマンのコンサートマスターが中山裕一から姜隆光となり、メンバーの音楽作りも一新されつつあります。その状況における今回の企画に対し、中野振一郎は「姜君の音作りはとても興味深い。これからまたコレギウム・ムジクム・テレマンと新しい可能性を見出してゆきたい。その上でも我々にとってのベースであるチェンバロ協奏曲の世界を、もう一度見直してゆきたい。」と語っています。
('08.3.6掲載)
Vol.3のご案内
 第三集は「二台の鍵盤楽器によるチェンバロ協奏曲」と題し、チェンバロとフォルテピアノのデュオでの演奏を行ないます。この2台の鍵盤楽器によるデュオは世界的にも彼らのみであるということもあって、最近の中野の活動の中でも最も注目されている試みです。

 “チェンバロとフォルテピアノのデュオ”という中野の発想は、近年の研究でJ.S.バッハがフォルテピアノとも深く接していた可能性が高いと言われるようになったことがヒントになったとか。現代を除けばこの二つの楽器が共存していたのはJ.S.バッハが活躍した時代のみ…とすれば、バッハは晩年に複数のチェンバロの為の協奏曲を書いていますが、それがチェンバロとフォルテピアノで演奏された可能性もないとは言えません。また中野は歴史的観点以外にも、この2台の違った方向性の楽器で共に演奏するという面白さにも注目しました。「少なくとも当時と今しか楽しめない音の組み合わせではないか」と考えて、このデュオを結成しました。

 フォルテピアノを演奏する高田泰治は、現在ドイツのチェンバロおよびフォルテピアノの奏者クリスティーネ・ショルンスハイムに師事し、成長著しい若手奏者です。2008年7月、日本テレマン協会主催「ベートーヴェン交響曲全曲演奏会」の第5夜(=いずみホール)においてなかなか成功例の少ないといわれる「合唱幻想曲」のフォルテピアノソロを務め好演しました。「この作品の魅力が初めて判った」という絶賛を評論家などからうけるなど関西を中心に注目を集めつつあります。最近ではチェンバロのソロ公演も増えつつありますが、そんな経験の中で高田は中野とは全く違う方向性の音楽を構築しつつあります。

 両奏者のベクトルの違いも明確になりつつある今、協会としてはこのデュオが今最も面白い時期にきていると自負しています。

 
今回は2人のデュオのほかに、コレギウム・ムジクム・テレマンを伴っての協奏曲も演奏します。指揮は延原武春です。
('08.9.8掲載)