延原武春のベートーベンチクルス

 日本テレマン協会代表の指揮者・延原武春が今注目されつつある。

 2006年はオーケストラ・アンサンブル金沢の第208回定期公演でベートーヴェン作曲「交響曲第7番」を指揮、また2007年2月には九州交響楽団との共演においてベートーヴェン作曲「交響曲第6番」を指揮し、9月には日本フィルハーモニー交響楽団を指揮。いずれの公演も団体の固定ファンを感動させた。

 延原は18世紀の音楽、とりわけバロックを中心に日本に室内楽の文化を根付かせてきたことは周知のことであるが、演奏者に高度な自由を与えながらともに音楽をつくってゆく独特の姿勢は、日本においては貴重な存在だと言える。

 延原の真価を問うべく当企画はベートーヴェンの交響曲第1番から第9番までと「荘厳ミサ曲」を、初演当時の楽器(クラシカル楽器)と当時の演奏語法に基づき、6夜にわけて公演するというもの。

 1982年、世界でもっともはやくベートーヴェンの指示したテンポと当時の編成、演奏語法などに忠実に「交響曲第9番」を指揮した延原ならではのベートーヴェン解釈。日本テレマン協会としてはこの逸材の音楽を前面に押し出し、関西文化の先進性を全国に向け発信したいと考えている。